女性と性感染症

2002年2月15日号
土浦市医師会 石島明

 最近、広がりが懸念される病気の一つに性感染症があります。
 性感染症はかつては「性病」と呼ばれていました。これには重要な者として淋菌感染症(淋病)、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス感染症、尖形コンジローム、梅毒、エイズがあります。
 性行為でうつる感染症はこれら以外にもたくさんありますが、単にうつるというだけでなく不妊症、母子感染などの問題も知られてきています。また、子宮がんの原因としてもウイルス感染が示唆されています。
 一番の問題点としては、社会的な環境の変化により若年世代の性感染症が急増していることです。
 パートナーの数が多いことや、性感染症の知識が不足していることなどがあげられます。いろいろな機会をとらえて、かなり早い時期から性感染症の知識や予防法を知っていただくことがとても大切です。
 性感染症のうち男性の場合は淋病が多いのですが、女性では圧倒的にクラミジア感染症が増えてきています。女性の場合、子宮の口(子宮頚管)の所に炎症を起こしますが、自覚的に症状が乏しく気づかれることが少ないのです。ですが、これが進むと卵管炎さらには骨盤腹膜炎まで引き起こすこともあり、その後、不妊症や子宮外妊娠の原因となる場合も見られます。
 母子感染という面から見てみると、どれも母親から胎児や新生児にうつる可能性のある病気です。早期発見治療のために、梅毒反応の検査が妊婦さんに無料で行われていますし、またエイズ検査も費用の一部補助が受けられます。最近では妊娠時の検査としてクラミジア感染症検査をする施設が増えてきました。妊婦さんの5%くらいに認められ、無治療ですと出産の時にやはり児に感染することがあります。
 もちろん、最初から性感染症にかからないことがとても大切ですが、幸いにして多くの感染症は治療することにより母子感染を防げますし、またその他の予防措置をとることにより母子感染のリスクを減らすことができます。