ペットと皮膚病

2003年7月15日号
土浦市医師会 松葉修(土浦皮膚科医院)

 最近はペットブームで犬や猫を飼っている人をよく見かけますが、ペットの中には人間にも感染する皮膚病があることを知っておきましょう。

犬・猫の白癬病
 白癬菌に感染すると犬や猫は、その部位の毛がぬけて皮膚が露出し、その上に細かい糠状のかさぶたなどが付着してきます。数ヶ月で自然に毛は生えてきますが、治療しなければそこには白癬菌が寄生していますから感染の源となります。
この白癬菌は大小胞子菌と言って人間に接触することによって感染し、特に犬や猫との接触する機会の多い子供や成人女性に多くみられます。
 人間に感染しますとその感染した部位に環状の紅斑が現れ痒みを伴いだんだんと拡大してきます。顔、体、手、腕などに多く見られます。人間には人間にだけ寄生する白癬菌もおり感染したときの症状は多少異なります。また人間に見られる水虫は白癬菌の感染ですが、全く原因菌が違います。
 治療は顕微鏡にて白癬菌を確認し、抗真菌剤を塗布すれば簡単に治癒します。それよりまず感染の源を断ち切るためには、犬・猫に毛の抜けたような部位がある場合には、すぐに獣医さんと相談してみることが賢明です。