予防接種について(小児科関連)

2004年4月15日号
土浦市医師会 中津典子(鶴町医院)

 副作用がなく、安全で確実な効果のある予防接種は、誰もが望むことです。しかし、現状では全く副作用のないワクチンはありませんが、年々改良されています。実際に病気にかかった場合におこる症状や合併症の恐ろしさも正しく認識して、判断することが大切だと思います。
 現在、土浦市ではポリオ以外は全て個別接種で、また多くのものが無料で受けられます。小児科医の数も比較的多く、このことは他の地域と比べてとても恵まれています。
 予防接種の上手な受け方としては、お子さんの体質やご家族の状況などをよく知っており、相談できる”かかりつけ医”での接種をおすすめします。最近普及している「お薬手帳」もぜひお持ちください。
 受ける時期(月齢)や順番についても、個別接種だからこそ、そのお子さんに適した方法を選べるオーダーメイドの予防接種ができるのです。
 例えば、同じ3ヶ月からできるポリオと三種混合ですが、何月生まれか?保育園に入るか?などにより優先順位がかわります。三種混合の中の百日咳は、特に6か月未満でかかると、肺炎や無呼吸発作などの重症化しやすく、冬場に多いため、早目の接種がよいことがあります。
 また、秋のポリオとインフルエンザ接種が重なりますが、インフルエンザを優先した方がよいこともあります。
 さらに今、WHOでははしかの根絶に力を入れていますが、日本はその点では先進国の中で遅れています。小児科待合室で「1歳の誕生日プレゼントに、はしかワクチンを」というポスターを見かけた方も多いでしょう。
 はしかは1歳未満でもかかることがあり重症化しやすい危険な病気です。そのため、1歳前の接種をすすめることもあります。(この場合は任意接種で有料)
 ワクチンを受けなかった理由として「かぜをひいていた。鼻水が出ていた。」という場合があります。
 私は、かぜのひき始めでなければ受けてよいことが多く、副作用の発生とも関係がないことをお話しています。
 1歳過ぎまでに済ませたほうがよい予防接種の種類は多く、ぜひ早い月齢で、小児科医にご相談いただければ、と考えています。