ひきこもりと5月病

2005年4月15日号
土浦市医師会 綿引秀雄(わたひきクリニック)

 ひきこもりには大きく分けて、社会的に学校や職場などにうまくなじめないために起こる社会的ひきこもりと、心の病や体の病が原因で起こる病的ひきこもりがあります。また最近では、ひきこもりがその人の生活のスタイル(型)であると主張する人たちも増えています。
 しかし、そのひきこもりが単なるその人の個性なのか、それとも病的なひきこもりなのかを区別することが大切です。なぜなら、病的なひきこもりは治療によって改善するからです。そのためにも、専門医を受信することが必要でしょう。
 病院によっては、往診してくれる病院もあるので保健所に相談してください。暴力に発展する前に受信することが大切です。
 5月病はひきこもりとは全く別な概念で、もともとは受験生が大学に入学し5月頃(特にゴールデンウェークあけ)に憂鬱になる状態をさしていましたが、今では入社して5月頃に憂鬱になる人のことも含んでいるようです。受験勉強をして、目的を果たしたあと憂鬱になるのです。
 人間は、がんばっている最中はうつになりにくく、一瞬ホッとしたときに憂鬱になります。ですから、頑張りすぎないことが必要です。万が一、5月病になったとしてもすぐに治療すると回復も早いので、どの病気もそうですが早期発見、早期治療が必要です。