アレルギー性結膜炎は3つに分類されます

2007年2月15日号
土浦市医師会 海老原研一(海老原眼科医院)

●季節性アレルギー性結膜炎
(花粉症に伴う結膜炎で季節性、地域性があります。
 スギ、ブタクサ、カモガヤ、シラカバ、イネなど)
●通年性アレルギー性結膜炎
(ハウスダスト、ダニ、ペットの毛など)
●急性アレルギー性結膜炎
(生物質点眼液や点眼液中の防腐剤によるもの)

 自覚症状としては、掻痒感(かゆみ)、目脂(めやに)が多く、症状が角膜(黒目)におよぶと、羞明感(まぶしさ)、流涙、異物感、疼痛、霧視などがあります。
 他覚的所見としては、結膜充血、結膜浮腫(白目が水膨れのような状態)、濾胞形成などです。
 掻痒感があると目をこすったり、かいたりしたくなりますが、これらの行為は三叉神経という場所から神経ペプチドという物質を放出させることになり、血管透過性、血管拡張、粘膜浮腫惹起などの炎症を起こします。すなわち、かいたり、こすったりすることは炎症を悪化させるだけとなるため、極力しないようにしてください。

 治療としては、軽度の場合は、抗アレルギー薬の点眼液を使用します。ただし、薬剤効果の出現は緩やかで1~2週間かかります。それでも症状が軽快しないときや初期から重度の時にはステロイド点眼液を追加します。
 ステロイド薬の場合、強力な抗アレルギー作用がありますが、眼圧上昇や角膜ヘルペスなどの副作用の問題があるため、点眼回数や使用期間など医師の指導に従ってください。
 スギ花粉など特定の物質に対してのアレルギーがあるとわかっている方は、花粉情報などをチェックして、花粉が飛び始めたら症状が出る前に点眼薬を開始すると効果的です。