タバコの害 ”禁 煙”

2007年11月15日号
土浦市医師会 川島房宣(川島医院)

 「今日も元気だ。タバコがうまい・・・」。
 今やこの言葉は死語であり、むしろ時代は禁煙にシフトしています。
 タバコの煙には、約4000種類もの化学物質が含まれており、そのうち約200種類は人体にとって有害化学物質が含まれています。また、その中には約60種類の発がん性物質も含まれています。中でも、ニコチン、タール、一酸化炭素は3大有害物質とされ、それぞれ副流煙の方に含有量が多いとされています。
 なぜ、タバコを止められないのかは、この中にあるニコチンという「薬」が、脳に対して高い依存性をもっているからです。
 タバコから発生する煙は、大きく分けて「喫煙者が吸い込む主流煙」と「置きタバコから立ち昇る紫色の副流煙」の2つがあります。喫煙者がタバコを吸って、早死にやガンになること自体は自己責任ですが、タバコを吸わない周囲の人たちの健康を害することが問題です。いわゆる受働喫煙です。この受働喫煙とは、本来の副流煙と一度喫煙者が吐き出した煙が合わさったものを吸うことです。
 世界保健機構(WHO)では、人口100万人当たりで147人から251人の受働喫煙による死亡が発生していると警告を出しています。このデータをもとに、日本では年間約1万9000人の非喫煙者が受働喫煙により肺気腫、肺がん、心臓病、脳卒中などで死亡していると推計されています。
 ここで禁煙について一言・・・。「禁煙に手遅れなし」と言われています。早ければ早いほどいい健康でいられることは間違いありません。
 それでは禁煙対策の準備としては、(1)1日の喫煙パターンをチェックする。(2)禁煙開始日を決める。(3)喫煙道具を捨てる。(4)目的意識を強く持つ。これらのことができたら禁煙を開始してください。そして、「禁煙を宣言する」、「誘惑が多い場所を避ける」、「喫煙に代わるストレス解消法を捜す」、「禁煙補助剤を利用する」。
 以上のことを守れば必ず禁煙に至ります。
 どうか愛する家族のため、そして地域社会のために、ぜひ、「タバコ煙ゼロ環境づくり」に協力を願うものです。