5月病

2010年5月18日号
土浦市医師会 塚原靖二(介護老人保健施設シルバーケア土浦)

  • 5月病とは?
    元来、5月病とは大学の新1年生が5月のゴールデンウィークの頃に、わけもなく憂うつな気分 となることをいいます。5月病は一般的な用語で、 医学的な病名ではありません。最近では大学生の 5月病は減りましたが、社会人1年生や転勤・転職後の5月病が増えています。
  • どんな症状がでるの?
    精神的な症状としては、「やる気が出ない」、「イライラする」、「物事がおっくう」、「気分が落ち込む」、「不安感、あせり感」、「考えがまとまらない」 などです。身体の症状としては、「眠れない」、「食欲が無い」、「疲れやすい」、「めまい」、「動悸」などの症状です。これらの症状はうつ病に似ていますが、うつ病ほど深刻ではありません。新しい環境へ適応することができないためにおこる適応障害と考えられています。真面目、几帳面、完璧主義、神経質、内向的の方がなりやすいといわれています。
  • 5月病にならないためには?
    1. 100点主義はやめましょう。
      新人が失敗することは当たり前で、7割できれば合格です。「失敗は成功の母」、「明日があるさ」 的な気分で取り組みましょう。
    2. 自分を大切に、自分の長所を認めましょう。
      出来なかったことより、できたことを重視して、自分の長所を伸ばしましょう。他人と比較せず、他人の評価を気にせずにマイペースを保ちましょう。
    3. 自分の時間を大切にしましょう。
      仕事や勉強が終わったら、スイッチを切り替えて、自分の時間を作りましょう。短時間でも自分の時間を確保することが脳をリフレッシュします。
  • 5月病かなと思ったら?
    まずは、休養をとり気分転換をはかること、十分な睡眠と栄養をとることが大切です。そして、 一人で悩まずに、ご家族や友人、職場の上司に相談することも大切です。話を聞いてもらうだけでも症状は軽くなります。しかし、症状が重く2週間以上続くときや自殺を考えるようなときは、早めに専門医(心療内科、精神科)にご相談ください。抗不安薬、抗うつ薬などの服用が有効です。
    土浦市保健センターや土浦保健所では「こころの相談窓口」を開設していますので、お気軽にご相談ください。