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高齢者に多い皮膚悪性腫瘍(皮膚がん)

2019年1月16日号
土浦市医師会 吉田寿斗志(土浦皮膚科医院)

「しみ」や「できもの」で皮膚科を受診される患者さんは多くいますが、そのほとんどは良性で、一部に悪性を疑う場合があります。皮膚腫瘍で受診されますと、視診と同時にダーモスコピーという機器を用いて腫瘍を観察されます。これは無浸襲な診断法で、病変部を拡大して観察でき、表皮から真皮上層までの構造を透見することができます。特に「しみ」の良性・悪性の鑑別診断には有用です。
 皮膚がんは、統計上増加傾向にあります。皮膚がんの多くは高齢者に好発します。最も発生数が多いのは基底細胞がんで、次いで日光角化症、有棘細胞がん、その次に悪性黒色腫(メラノーマ)です。これらの皮膚がんは長期の紫外線曝露歴による光老化が発生の原因と考えられています(一部例外あり)。1947年の平均寿命は男性で50.06歳、女性で53.96歳でしたが、2016年では男性80.98歳、女性で87.14歳と男女とも延びています(内閣府HPより)。平均寿命の延長により紫外線曝露歴が長くなり、皮膚がんの発生が増えたと思われます。皮膚がんで最も死亡する疾患は悪性黒色腫です。足底にできることが多く、そのタイプは紫外線と関係がありませんが、顔や体に発生するタイプでは紫外線曝露と関係があります。最近までは内臓へ転移した場合、ほとんど効果が期待できる治療がないのが現状でしたが、ノーベル医学・生理学賞を受賞された本庶祐先生の研究を基に作られた「ニボルマブ」をはじめとした免疫療法により、生存期間の延長が期待できるようになりました。
 皮膚がんの多くは高齢者の日光露出部(顔、頭、腕、手など)に生じます。予防には日焼け止めクリームをむらなくしっかり塗るなどの紫外線防御対策と定期的なセルフチェックによる早期発見が大切です。皮膚がんは皮膚の表面に出ているので、特に60歳以上の方は自分の皮膚を定期的にセルフチェックし、気になる「しみ」や「できもの」があれば、皮膚科を受診しましょう。

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