変形性膝関節症について(ヒアルロン酸注射の効果)

2012年8月15日号
石突正文(土浦協同病院)

 変形性膝関節症とは年令と共に膝関節のクッションの働きをする軟骨や半月板が擦り減って、痛みが起きる疾患です。症状としては膝の内側が痛くなることが多く、関節液が貯留すると膝が腫れることがあります。推定では1200万人の患者さんがいますが、男性より女性に多いようです。加齢が主な原因なのでなかなか予防するのは難しいのですが、膝を支える太ももの筋肉を強くして不安定性を少なくすることは変形の進行を抑える効果があるでしょう。膝が痛い時にはジョギングなどや長時間のウォーキングなどは控えた方がいいと思いますが、糖尿病などで運動療法を勧められている場合には膝の負担が少ないプールでの水中歩行をお勧めします。体重増加も膝の変形を進行させる要因なので、健康を害さない範囲での食事療法も重要な予防法といえるでしょう。
 治療としては、症状が強くない時は湿布や軟膏などで効果がありますが、痛みが強い時には消炎鎮痛剤の服用が必要になります。その他の治療としては、膝関節内へのヒアルロン酸の注射があります。ヒアルロン酸は関節液の主な成分で粘稠度が高く、膝関節の潤滑油としての働きを担っています。最近テレビでヒアルロン酸の内服薬のコマーシャルをよく見ますが、内服すると消化器で分解されるので、本当に膝に効果があるのか疑問視している専門医が多いのが現状です。それに比べヒアルロン酸を注射で直接関節内に補充することは関節の炎症を抑えたり、潤滑性を高めたりすることによって痛みを和らげる効果が期待されます。ヒアルロン酸の注射は通常1週から2週間隔で数回注射しますが、最近、分子量の高いヒアルロン酸注射が開発され、1週間隔で3回の注射をすると長期間有効であるという製品が開発されました。このような治療でも痛みが強く、歩くことにも不自由になると人工関節の手術の適応になりますので、整形外科を受診され適切な治療を受けられることをお勧めします。