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こどものワクチンについて

 今回は、ポリオを中心としたワクチンのお話です。今年の9月から生ポリオワクチン(経口)に代わって不活化ポリオワクチン(注射)が開始されました。ポリオウイルスは、人の口から入り腸の中で増えることで感染をおこします。ウイルスは再び便と一緒に排泄され、この便を介して再び他人に感染します。多くの場合特に症状は現れませんが、まれに腸管に入ったウイルスが脊髄に入り込み手足の麻痺がでたり、死亡することもあります。今のところ有効な治療法はありません。

 日本では1960年にポリオ患者の数が5千人を超え、かつてない大流行となりましたが、生ポリオワクチンの導入により流行はおさまりました。1980年の1例を最後に、現在まで野生の(ワクチンによらない)ポリオウイルスによる新たな患者は出ていません。現在日本で発症しているポリオは、ワクチン関連麻痺性ポリオ(VAPP)と言われるもので生ポリオワクチンが原因でおこるものです。生ポリオワクチンは病原性を弱めているとはいえ、生きたウイルスを使用していますから、まれにポリオの症状がでることがあります。10年間で15人、100万人接種あたり約1.4人の割合でポリオの症状がでることになります。

 不活化ポリオワクチンは、ポリオウイルスを不活化し(=殺し)免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性を無くしてつくったものです。ウイルスとしての働きはないので、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません。実は、先進国で生ポリオワクチンを使用していたのは日本だけなのです。ようやく日本でも不活化ポリオワクチンが認められ、VAPPを防げることになりました。

 今年の11月からは、単独不活化ポリオワクチンに並行して、ジフテリア、百日咳、破傷風の3種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンが加わり4種混合ワクチンが接種できるようになります。近年、接種できるワクチンの数が増えスケジュールを組み立てるのが大変難しくなっています。ワクチンは生後2か月から接種できます。効率良くワクチンを接種するためには、複数のワクチンを同時に接種する同時接種がおすすめです。日本小児科学会でも同時接種を推奨していますし、諸外国では以前から普通に行われている方法です。ワクチンは、接種しなければ病気から子どもたちを守ることはできません。お医者さんと相談しながら、効率よく予防接種を進めることが大切です。(VPDを知って、子どもを守ろうの会 http://www.know-vpd.jp/)

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