夏に多い皮フ病

2004年7月15日号
土浦市医師会 坂本由紀子(久松耳鼻咽喉科皮フ科医院)

(1)トビヒ
 子供の顔や手足などに水ぶくれやかさぶたが何個もでき、痒くなることがあります。
 皮フ表面にブドウ球菌、またはレンサ球菌が感染して発症したものです。0歳から6歳くらいの子がかかることが多く、時期的には高温多湿の7月から9月によく見られます。すり傷、切り傷、アトピー性皮フ炎、虫刺されなどに伝染します。
 トビヒは、ひと夏に何回もかかることがありますし伝染力も大です。ぬり薬だけでなく、飲み薬も必要です。医師のもとで治療を受け、早く直しましょう。
 ご家庭では、つめを短く切り行水やシャワーを浴び、皮膚を清潔に保ちましょう。
(2)あせも
 あせもは、正式には汗疹といいます。日焼けの後や急に熱が出たときなどに見られるものを水晶様汗疹、乳児の首やオムツのあたるところに見られる最も多いものを紅色汗疹といいます。これに、黄色ブドウ球菌の感染が加わると、俗にあせものよりといいます。
 あせもは、成人や老人でも体が自由に動かせない状態だと、衣服や布団に密着したところにできます。一般的には夏に多いのですが、冬でも暖房がききすぎているとできることがあります。
 対策としては、外気温を下げ、空気を乾燥させ、体温を下げるようにしましょう。発症したらぬり薬を使いますが、同じような環境で同じような部位に発生するカンジタ症というものがあります。カンジタは、顕微鏡による検査で確認できます。あせもとカンジタ症では、治療法が全く異なるので、専門医に調べてもらいましょう。