‐小児の病気‐家庭でできる処置
2003年8月15日号
土浦市医師会 佐藤秀一(佐藤小児科)
やはり一番機会が多い事としては、突然の高熱時の対応かと思われます。昔から高い熱が出るとそのせいで頭がバカになるといった迷信めいた言い伝えがありますが、42℃以上の高熱でも出ない限りその様な事はおこりません。また、高熱時に安易に解熱剤を投与して熱を下げようとしがちですが、できれば本人の全身状態がさほど悪くなく水分も補給できる様ならば、なるべくその使用は控える方がよいでしょう。
その理由の一つには、薬が効きすぎて急激な体温低下をきたし、軽いショック状態に陥ったりすることがある為と、人間は高い熱が出ると、それに対応して病原体に対しての免疫力を高めようとしますが、薬で熱を下げてしまうとその様な整体の防衛機構が働かなくなり、かえって病気の回復を遅らせてしまうからです。よって、解熱剤を使用するケースは、よほどの高熱でぐったりして水分を補給する元気もない時や、頭痛、関節痛などを強く訴えてぐずっている時に限ったほうがよいでしょう。
まず急な高熱時の対応としては、水分を十分補給して、本人が嫌がらなければ最近は熱さまシートなどの便利なものがありますのでそれを使用して体を冷やしてあげるのがいいでしょう。また、高熱時にあえて厚着をして汗をだそうとする人がいますが、かえって脱水症状を引き起こしますので、お子さんにはその様なことはしないでください。
もし、深夜に急に高熱が出ても他にこれといった症状もなく全身状態がさほど悪くなければ、あわてて救急病院にかけこまずに朝になってからかかりつけ医を受診するといった対応で心配ないと思われます。ただし、生後6カ月未満の赤ちゃんが急に高熱をだしたときは、思い病気をおこしてる事があるので、早めに医療機関で受診してください。