鼻アレルギー

2005年2月15日号
土浦市医師会 結束温(結束耳鼻咽喉科医院)

 今年は、去年の夏の湿度と平均気温が高かったため、去年に比べて杉の花粉の飛散が、全国で軒並み10倍以上と予測されています。土浦・つくば周辺の杉花粉の飛散も、去年は1平方センチメートルあたり700前後でしたが、今年は5,000から10,000の間になるということでした(元霞ヶ浦医療センター医長の新井氏による去年11月筑波大学での耳鼻科医の臨床談話会の講演)。例年も、1月ごろから暖かい日が続くと、花粉に対して過敏になっている人はアレルギーの症状を起こすことがあります。
 その症状とは、次に挙げるように色々あります。まず、顔の皮膚の痒みから始まって目の痒みが挙げられます。さらに、鼻の中は後で耳に連なり下方に行き咽喉に連なるという解剖学的構造から、鼻水、くしゃみなどのほか、耳の症状として耳の痒み、難聴、めまいがあり、このようなときに「強く鼻をかむと中耳炎に罹りやすくなります。鼻の後で咽喉の始まりのところ(上咽頭)の粘膜は、このシーズンは常にアレルギー反応による腫れている状態になっています。
 そのため、気温の変化に敏感に反応しやすく、例えば、お風呂に入ると風邪のような症状で上咽頭のいがらっぽい感じが現れることがあります。
 このような症状が、日にちがずれて花粉の飛散と相まって現れてきます。例えば、めまいと鼻づまりは一見別々の病気と考えがちですが、この時期に起こるときには、特に花粉を考えに入れてみた方が良いかと思います。
 次に、その治療について述べてみたいと思います。まず第一には、原因となる花粉を避けるということです。あまり出歩かないというのも治療のひとつであるかもしれません。マスク、水中メガネのようなものを着けるというのも大事です。
 また、薬による治療では、皮膚の湿疹などにも使われている抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤など、また漢方薬も含めて花粉のひどい飛散前から服用する薬もあります。注射による治療も、即効性のものから体質改善の注射療法までいろいろあり、投薬と合わせて行うことによって花粉症を和らげることができます。
 手術によるものでは、最近レーザーで鼻の粘膜を焼却し花粉の反応を弱める方法があります。この考え方は昔からあるもので、今までも毎年この時期に薬品などによる同じような手術方法が話題としてでてきていました。
最後に、これら花粉症の治療でも鼻閉が治らないとき、鼻茸などに因るのもあります。
 さらに、詳しくは、専門医と相談なされると良いかと思います。