病気にならないために

2020年1月15日号
土浦市医師会 伊藤慎(わか葉在宅クリニック)

 皆さん病気にはなりたくないと思います。そこで、日本プライマリケア連合学会認定の家庭医療専門医としての立場から、皆さんにアドバイスできればと思います。努力によって予防できない病気(今の医学では癌など)もありますが、生活習慣病(昔は成人病と言っていました)は努力によって予防をすることが出来ます。
 当たり前のことを書くようですが、まずは食事です。一日三食食べて、間食は最低限にしましょう(糖尿病など生活習慣病がある方は主治医の先生と相談してください)。塩分は控えめに(1日6gを目指しましょう)、カロリーは控えめに。
 そして運動です。これは「ハードルを低く設定する」のがポイントです。「よし、健康のために1日30分ウォーキングを始めるぞ!」といった方で、3か月以上続く人は少ないと思われます(特にこの季節)。「屋内でテレビを見ながら、1日15分ストレッチする」。このくらいにハードルを低く設定すれば長持ちするのではないでしょうか。そして、運動の癖がついたら、少しずつハードルを上げてゆけば良いのです。
 では、もう薬を飲んでいる方へ。「どうせコレステロールの薬を飲んでいるのだから、少しくらい多めに油物を食べてもいいや」。これは厳禁です。薬はあくまで補助でしかありません。むしろ薬を飲んでいる方は、できれば主治医の先生に「薬の量を減らしてみましょうか」と提案されるくらいにならないといけないのです(実際非常に難しいことですが)。
 あとはワクチンです。アレルギーなどがない成人は、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種をお勧めします。ある一定の効果が科学的に証明されています(肺炎は侮れない怖い病気です)。
 まとめです。病気(ここでは主に生活習慣病)にならないためには、食事、運動が重要。そしてお薬を飲んでいる人も、同じ努力をしましょう。