筋トレをしよう

2025年6月3日号
土浦市医師会 原田祐嗣(サンルーナ内科・脳神経内科クリニック)

 何歳になっても、筋トレは、健康維持や生活の質の向上に大きな効果をもたらします。歳をとると筋肉量や筋力は自然に低下し、転倒することや生活の制限が増えていきます。適切な筋トレは、これを防ぎ身体機能をたもつ助けとなります。

 筋トレのメリットとして、筋力強化による転倒予防、骨密度の維持による骨粗しょう症対策、代謝の向上による肥満予防が挙げられます。また、認知機能の維持や気分の改善にも良いとされており、心身両面での健康をサポートします。

 厚生労働省のガイドラインでは、高齢者に週2~3回、無理なく続けられる強度の筋トレを推奨しています。

 具体的な方法としては、椅子を使って行う「スクワット」(立ち上がってしゃがむ)がおすすめです。ダンベルやゴムバンドを使った軽い抵抗運動も効果的で、1セット10~15回を目安に、2~3セット行うと良いでしょう。動作はゆっくりと呼吸を止めずに行い、関節に負担をかけないよう注意が必要です。

 無理のない範囲で始め、徐々に負荷を増やすことが継続のコツです。また、仲間と行うことでモチベーションがたもたれ、楽しさも倍増します。

 筋トレは「動ける体」を維持する鍵です。週に数回、10~20分の運動から始め、日常生活をより活動的に、快適に過ごすための第一歩を踏み出しましょう。