健康とスポーツについて

2014年8月12日号
土浦市医師会 齋藤由美子(ゆみこ内科クリニック)

 健康とスポーツ。どんな関係があるのでしょうか。
 今回は、競技性のない身体運動という意味でのスポーツの話をしてみたいと思います。健康の為には、どんなスポーツでも構いません。ご自身が楽しいと思って続けられることが大切です。
 ウォーキング、サイクリング、スイミングなど、全身の筋肉を使って一定の時間繰り返すスポーツは、有酸素運動と呼ばれます。この有酸素運動は、血液の循環を良くして心肺機能を高め、体力が付くばかりでなく内臓脂肪を減らします。血液検査での善玉コレステロールを上げ、中性脂肪や悪玉コレステロールを下げます。
 無理なく運動することで、血圧も下げてくれるし、筋肉を動かすことで血糖が取り込まれ、血糖値を下げます。メタボリックシンドロームの方には特にお勧めですが、どなたにとってもアンチエイジングには欠かせません。最近では、免疫力を高めるし、大腸がんなどの予防にもなっているとされています。
 またスポーツでの楽しい気分は、ストレスの解消に役立ちます。脳も活性化され、うつや認知症の予防効果に期待されています。ぜひ、公園やりんりんロードなども活用してください。
 筋トレも健康に大切です。筋力を付けることで、骨粗しょう症を予防して、ロコモティブシンドローム(運動器の障害で寝たきりや要介護となるリスクの高い状態)の予防にもつながります。さらに基礎代謝も上がり、痩せやすい体になります。
 このように健康にはスポーツが大きく貢献しています。しかし、持病のある方は主治医に相談しておきましょう。糖尿病で治療中の方は、空腹時の運動は低血糖に繋がる可能性がありますので、食後に運動をしてください。スポーツ前にはストレッチングや準備体操、スポーツ後にはクールダウンを十分に行い、怪我のないようにしましょう。
  夏は水分、電解質の補給をし、冬は保湿性の高い服装を着用しましょう。まずは、1日30分がお勧めですが、無理なく、さあ始めましょう。