みずぼうそうについて

2014年10月15日号
土浦市医師会 鈴木敏之(おおつ野こどもクリニック)

 みずぼうそう(水痘)は、水痘・帯状疱疹ウィルスに感染して起こります。感染経路は空気感染、飛沫感染のため、非常にうつりやすい病気です。水をもった赤い発疹が、陰部、からだに始まり、だんだん顔、頭部まで全身にでます。発疹は2~3日でピークとなり、だいたい1週間で乾いて黒いかさぶた(痂疲)になり良くなります。全部がかさぶたになるまで感染力があるので、幼稚園、学校は休む必要があります。ウィルスは回復後も長く体内(神経根)にとどまり、免疫機能が低下するとウィルスが再び活性化し、帯状疱疹となってあらわれます。痛みを伴う水疱の集まりが、神経根に沿って、体の片側に帯のように出現します。
 水痘の合併症には脳炎、肺炎、重い皮膚の細菌感染症などがあります。特殊なケースとして、免疫の低下したお子さんが感染すると重症化し、死に至ることもあります。ワクチンを1回受けていても水痘の流行時には4人に1人くらい感染します。その理由は、ワクチン接種によっても十分な免疫能が得られなかったり、免疫能が時間と共に低下してしまうことがあるためです。1回の接種では効果不十分なことがあり、ワクチンの2回接種によって感染を減らすことができます。
 水痘ワクチンが平成26年10月より定期接種化されました。定期接種対象者は1歳~3歳未満のお子さんで、初回は生後12~15か月に開始し、最低3か月(標準的には6か月)あけて2回目を接種します。厚生労働省の方針により、平成26年度に限り3歳~5歳未満までのお子さんは1回接種となっています。しかし、いずれの年齢においても2回接種が望ましいと思われますので、3歳以上のお子さんにも任意接種での2回接種をお勧めします。詳しくは、かかりつけ医、保健センターにご相談ください。今後、定期接種化によって、社会全体での水痘の罹患率・合併症発生率の減少が期待されます。