インフルエンザについて

2004年10月15日号
土浦市医師会 田谷光一(田谷医院)

●インフルエンザとは
 ウィルスによって起こる急性伝染病、いわゆる「はやり風邪」です。
毎年冬になると流行を繰り返し、数年ごとに大きな流行を繰り返します。
このウィルスは、くしゃみや咳、会話などで飛び散り、これを吸い込んで感染を起こします。
症状は、急激な発熱、喉の痛み、咳、くしゃみ、鼻水ですが、時には脳炎、筋肉炎、心筋炎などの合併症を引き起こします。老人や抵抗力の少ない乳幼児がかかると、重い合併症を引き起こすことがあり、死亡する場合もあるので注意が必要です。

●インフルエンザの予防は
 1.外から帰ったら、手を洗い、うがいをする。
 2.できるだけ人混みを避ける。
 3.睡眠など休養をよく取り、栄養に気を配る。
 4.予防接種を受ける。
 5.予防薬を服用する。
などがあげられます。

●インフルエンザ予防接種について
 人工的に体に免疫をつけ、病気にかかりにくくするのが予防接種です。インフルエンザウィルスは、ひんぱんにその性質を変えてきますので、毎年流行する種類を予測してワクチンが作られています。予防ワクチンに使用したウィルス株が適当であれば、かなりの予防効果が期待できます。完全な予防にはなりませんが、重症化の防止には効果が高いので、抵抗力の低い小児や高齢者にはお勧めします。また、喘息などの肺疾患のある方や受験生なども、接種しておくと安心です。ワクチンは1回、あるいは2回接種する必要があります。2回の場合は、1~4週後(4週後が望ましい)に追加して接種します。注射する時期は、流行期の前の11月中には済ませることが望ましいです。副作用は、ほとんどないといわれていますが、ワクチン接種でアレルギー歴のある方や、鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対して、アレルギーを呈するおそれのある方にはお勧めできません。

●インフルエンザの治療は
 近年、インフルエンザウィルスに効果のある抗ウィルス薬が使用されるようになりました。この薬は、早期にインフルエンザと診断された方に投与されますので、インフルエンザが疑われる場合は早めに病院へ行きましょう。