夏に多い目の病気

2016年8月17日号
土浦市医師会 浅野徹(浅野眼科医院)

 夏の目の健康について、今回は目に対する紫外線の影響と、8月ごろに発症頻度が高くなるアデノウィルス結膜炎(はやり目)のお話をいたします。
 夏は紫外線が強く、またレジャーなどで外出する機会が増えるため、紫外線の影響を受けやすい時期です。紫外線は肌に日焼けをおこすだけではありません。屋外で長時間日光を浴びた後に、目が赤くなったり、痛みが出るのは、角膜(黒目)に炎症がおこるからです。また紫外線の影響は蓄積されるといわれており、長期の障害として翼状片、白内障などがあげられます。紫外線から目を守る方法は、外出時の帽子や日傘、サングラスです。サングラス選びのポイントは、色の濃さではなく紫外線のカット率です。色が濃くても紫外線をカットできないものは、暗く感じるため瞳が大きくなり、かえって紫外線が目に入りやすくなってしまいます。紫外線を防ぐ効果がはっきり示されているものを選んで下さい。
 毎年夏に多く見られる病気にアデノウィルス結膜炎があります。結膜炎の原因には、細菌、ウィルス、アレルギーなどがありますが、アデノウィルスによるものは感染力が強く、人にうつりやすいことから「はやり目」とよばれています。目が赤くなったり、目やにが多く、ゴロゴロするなど強い症状がでます。はやり目には特効薬がないので、炎症をおさえ、細菌の混合感染を防ぐための点眼薬を使用します。2~3週間で症状は消えますが、あとで角膜に濁りがでて視力を悪くすることがあるので、自分の判断で治療を中止するのは危険です。はやり目と診断されたら家族やまわりの人にうつさないように注意することが重要です。幼稚園や学校は休む必要があります。ウィルスは、目をこすったりふいたりした手やタオルなどからうつることが多いため、手は流水でよく洗い、目を触る場合は、ティッシュペーパーなど使い捨てのものを使用してください。