ロボット手術について

2023年8月17日号
土浦市医師会 酒井康之(土浦協同病院)

 ロボット手術とは、医師がロボットを操作して行う内視鏡下手術のことです。内視鏡下手術は、従来行われていた開腹・開胸手術と比べて、小さな傷で、痛みが少なく、術後の回復が早いことが特徴とされていましたが、医師が技術を習得するのに時間がかかること、より複雑な手術では難易度が高いことが問題でした。

 そこで、この手術にロボットを用いることにより、技術の習得が容易になり、複雑な手術も可能になりました。

 このロボット手術誕生初期の頃は、特に泌尿器科領域で急速に普及しました。日本では平成24年に前立腺がん手術が初めてロボット手術の保険適応となり、平成28年に腎がん手術、平成30年には消化器がん手術などにも適応が広がり、さらに令和2年、4年にさまざまな術式に保険適応が拡大されています。

 私が勤める土浦協同病院では、令和3年に直腸がん、前立腺がんでロボット手術が開始され、令和4年には胃がん、子宮疾患(子宮体がん、子宮脱、子宮筋腫など)、 腎がん、膀胱がんでもロボット手術が始まっています。

 こうしてロボット手術導入後2年経たずに手術症例数は261例(令和5年5月現在)に達し、茨城県内でも年間の手術症例数が多い病院の一つとなりました。

 今後は胸部疾患、肺がんや膵がん、肝がん、結腸がんでもロボット手術を開始する予定です。なお、当院は全科そろっている総合病院であり、高齢の方、持病のある方でも安心してロボット手術を受けられます。

 今後も土浦市民、周辺地域の皆さんにより安全で、痛みが少なく、そして回復の早い手術をお届けできるよう精進してまいりますので、よろしくお願いいたし ます。