医療、介護、リハビリテーションの連携

2023年10月17日号
土浦市医師会 岩﨑信明(土浦リハビリテーション病院)

 年を取るとさまざまな病気にかかり、調子を維持するために医療が必要となり、そして、体を思うように動かせなくなったり、考えることが難しくなったりすると介護が必要になります。また、脳卒中や大腿骨骨折など、医療の問題をきっかけに介護が必要となり、 逆に、食べることがうまくできず介護が必要になると、誤嚥性肺炎という医療の問題を起こしやすくなります。このように、両者は互いに密接に関連しています。

 病院や診療所、デイケアなどの通所施設に通えない場合でも、自宅で訪問型の看護・診療・介護を受けることができます。しかし、自宅での生活が困難になった場合には、一般の病院では長期に入院することは難しく、また、介護施設でも看護師がいない場合や、いても日中のみなどの場合は、医療の必要性が高い方の受け入れはしてもらえません。そこで、医療と介護の長期的な手厚いサポートが受けられる施設として、医療保険による医療療養病床や、介護保険による介護医療院があります。後者の介護医療院は2018年に制度が作られた新しいタイプの介護施設で、昨年、土浦市にも新設されました。

 さて、リハビリテーションは運動機能の改善や筋力の維持を図って運動の能力を維持することを目指し、高齢者を支えていくための役割を果たします。また、高齢者が健康に過ごすためには、筋肉量を維持し、サルコペニアを防ぐことが重要とされており、栄養を十分にとることが必要です。そのために、管理栄養士や歯科医師などの関与とともに、リハビリや看護で摂食嚥下機能を維持していくための指導もおこなわれます。

 このように、在宅ばかりでなく施設入所も含めて、医療、介護とともにリハビリ、栄養、歯科などのさまざまな関連分野が連携しながら高齢者を支えていくことが望まれています。