自分の薬を確認しよう
2025年4月25日号
土浦市医師会 石切山拓也(松本内科医院)
「ポリファーマシー」という言葉を知っていますか?直訳すると「多くの薬」という意味です。複数の医療機関を受診し、多くの種類の薬を飲んでいる方もいるかもしれません。多くの薬を飲むことが決して悪いわけではないのですが、薬の種類が増えることによるデメリットが「ポリファーマシー」という言葉の基本的な考え方です。具体的には、次のようなデメリットがあります。
・同じ系統の薬を使用することで、予期せず効果(副作用含む)が出過ぎてしまう
・知らないうちに、飲み合わせの悪い薬を一緒に服用してしまう
・何の薬かが分からなくなり、服薬を忘れがちになって服薬治療の効果が落ちてしまう
・お金がかかる
・肝臓、腎臓などの臓器への負担が予測できない
おくすり手帳を活用していたとしても、薬の種類が増えるほど、リスクは上がってしまいます。
医療機関も理由なく患者さんに処方することはありませんが、一度処方された薬がそのまま長く使われていたり、おくすり手帳を忘れたために当人も含め誰も何の薬を飲んでいるのか分からなくなってしまったり、そういったことが重なって、気が付けば多くの薬を理由不明のまま飲んでいる状況が時々あります。
自分の薬の中に何の薬か分からないものがある方や、数が多くて飲むの大変だと思ったことがある方は、ぜひ医師や薬剤師にもう一度薬について確認してみてください。必ずしもお薬が減るとは 限りませんが、ご自身の薬を整理する一つのきっかけになると思います。